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【書評】主よ、永遠の休息を/誉田 哲也

 

主よ、永遠の休息を (実業之日本社文庫)

主よ、永遠の休息を (実業之日本社文庫)

 

概要

 主人公は新聞記者。複雑な事件に巻き込まれていくサスペンス小説です。

オススメポイント

 ヒントの出し方が上手です。序盤は物語がどういう方向へ行くのかまったくわからず、新聞記者と普通の女の子の間にどうやって接点ができるのか不思議に感じます。途中でいろいろとヒントが繋がりだして頭の中でパーツが組み上がっていく感じでした。それがすごいおもしろかったです。

感想

 物語が形作られていく過程はとてもおもしろかったけど、やっぱこの手の犯罪の話は胸糞悪いですね。犯人は今まで読んだことのある作品のなかでも上位に入るぐらい気持ち悪いキャラとして描かれていました。

 だいたいの方向は読めても、最後で明かされる事実には仰天しました。なにか釈然としない伏線があって、それがまさか・・・。と、言った感じです。ちょっと設定を変えれば普通の幕切れもあり得たはずですよね。

 大矢さんの解説も目の付け所が鋭いです。「他人事」への関わり方を描くために、主人公として新聞記者を使ったという話。

 単に、人助けとして行動しているだけでなく、特ダネ記事にしたいという思惑も絡んだ主人公の心情。ラストのキャップとの会話のシーンは短いですが、すごく深いことを取り上げた会話なのだと思います。

 「事実とは、真実とは何か?」。話の内容が深すぎて、あの場面はちょっと消化不良気味です。主人公はどうするのが正解なのでしょうか。

 あの短いシーンのために、そこまでの経過があった、っていうのは考え過ぎですかね。