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【書評】震える牛/相場 英雄

 

震える牛 (小学館文庫)

震える牛 (小学館文庫)

 

概要

 WOWOWでドラマ化された作品です。テーマは食品偽装。社会派のサスペンスです。

おすすめポイント

 いろいろな側面を持つ作品でした。大きく見れば警察小説ですが、いろんな世界を見て回った気分です。勉強になります。

感想

 単行本の時から気になっていた作品です。文庫化されたので迷わず買いました。

 まずは、警察小説として面白いです。地道な捜査によってヒントを得ていき、徐々に犯人に近づいていく様子が読んでいて面白いです。蛇腹メモがニクイです。警察小説が好きなので楽しみました。

 それと同時に郊外型の大型ショッピングモールの急増という、ある種の社会問題にもスポットを当てています。利益を追求しすぎた経営陣によって、恐ろしい食品偽装が行われているかもしれない・・・。捜査と同時並行して企業側の動きを描くことで、なぜこんな問題が起きてしまっているかも説明されるような構成となっています。

 ショッピングモールの出現という問題は自分にとって割と身近な問題でもあり、うちの近所の商店街が苦労している姿が思い起こされました。リアリティのある話なので考えさせられます。1人の消費者として何を望むのか。たくさんの人に読んでもらいたいなぁと思いました。この作品はフィクションですが、読んだ後は少し違う視点から日常生活を眺められるのではないでしょうか。

 人によっては、もうスーパーの総菜売り場でものを買えないって思っちゃうかもしれませんね・・・。