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【書評】模倣の殺意/中町 信

 

模倣の殺意 (創元推理文庫)

模倣の殺意 (創元推理文庫)

 

 

概要

 複雑な経緯をたどって今の形で出版されている作品だそうです。文庫版の解説に詳しく書かれていたと思います。1973年と、かなり前に書かれた作品ですが、今も色あせない驚きを読者にもたらしています。

おすすめポイント

 序盤から中盤にかけてが特に面白かったです。追っている犯人像がまるで違うし、何がどうなっているのだろうという感じでした。謎解きが始まるまでは、結論がどうなるのか全く分からなかったです。

感想

 ちょうど40年前に書かれた作品ですが、これが叙述トリックの先駆けだったのでしょうか。ほころびもまったくなくて、よく思いつくものだなと感心してしまいます。

 僕の場合、途中に登場した「探偵が犯人」という言葉がずっとひっかかっていたので、謎解きの最初の方で結末が読めてしまいました。なので、スカッとだまされたという感じではなかったです。

 ちょっと前にイニシエーションラブを読んでしまったのも、爽快感を減らす要因になってしまったかなと思います。叙述トリックって、ごくたまに、予想外に来ると面白いですよね。真面目に考えていた自分がバカみたいだなと思ってしまうぐらい、大胆な罠をしかけていることが多いですから。この作品のトリックも、わかってしまうと大したことがないのですが、わからないときは何がなんだかといった感じでした。