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【意外と読みやすい村上作品?】ノルウェイの森/村上春樹

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

 
ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

 

概要

 1987年に書かれた村上春樹さんの代表作です。映画化もされました。今でも広く読まれているのではないかと思います。

おすすめポイント

 村上春樹さんの作品は難解でわかりにくいという意見をたまに聞くのですが、この作品はすごく読みやすくて面白かったと思います。あくまで僕の個人的な感想ですが。

感想

 「色彩を持たない~」に続いて、僕にとっては2作目の村上春樹作品です。「色彩を持たない~」が発売されたときに、友達がおすすめしてくれました。その友達は「1Q84」より断然読みやすくて面白いと言ってくれたので、こちらを先に読むことにしました。おすすめされた通り、読みやすくてすいすい進んでいけるなぁと思いました。

 ぼんやりと伝わってくる作品のテーマと独特の言い回しで、不思議な世界に連れて行かれます。

 上巻の段階で、終わり方はなんとなくわかるような気がします。突拍子もない結末にはならないであろうと。しかしなぜか話の続きが気になってしまう、不思議な魅力のある作品でした。

 会話が多くて比較的軽く読めるのに、内容はなかなか重いなぁと思いました。生きている人は、さまざまなものを背負って生きていかねばならないということでしょうか。人によって違う感想を抱くのかなあと思います。僕が読み取ったのはそんなようなことでした。

 村上さんの作品、たまに読むのも悪くないなと思いました。しょっちゅうこういう作品を読んでいたらどんよりとしてしまいそうですが。

 一番最初の回想場面の終わりに、「直子は僕を愛してさえいなかった」と書いてあります。これがよくわからないですよね。直子の気持ちは描写されていないので、わからないと言えば当然なんですが、ワタナベ君がなぜこう思ったのかの根拠が見つからない・・。うーん。