ネットワーク的読書 理系大学院生がおすすめの本を紹介します

本と本の意外な「つながり」ってありますよね

【ぜいたくな短編集】Story Seller〈3〉

Story Seller〈3〉 (新潮文庫)

Story Seller〈3〉 (新潮文庫)

 

 概要

 人気作家さんが共演する豪華短編集第三弾です。有川浩さん、米澤穂信さんら有名作家の短編が読めます。さだまさしさんの作品が読めるのが珍しいのではないでしょうか。

おすすめポイント

 いろんな作家さんの作品が読めるというのはホントにお得です。それぞれタイプがまったく違うので、次から次へと新しい本を開くような気分です。こんな体験をできるのはこのシリーズだけではないかと思います。

感想

 自分的には一番おもしろかったのは米澤穂信さんでしょうか。短編も上手いです。有川浩さんのはユニークでよかったです。佐藤友哉さんも初めて読んだので印象に残りました。他の作品も面白く、ぜいたくな短編集でした。さだまさしさんって作家でもあるんですね。びっくりしました。

 

男派と女派 沢木耕太郎

 タイトルとなっている話題について述べるなら、僕はもちろん女性から教わったことの方が多い気がします。男兄弟なので男といるのが当たり前だったから、女性の影響が際立っているのかな。いろいろな「初めて」に話題が飛ぶ短編でした。

ゴールよりもっと遠く 近藤史恵

 かっこいいお話です。競技のことを第一に考える、というか競技のことしか頭にないような才能あふれる人とそれを支える人の物語。漫画チックだなぁと感じました。スポットが当てられているマイナースポーツの宿命ってやつもなかなか興味深いお話でした。

楽園 湊かなえ

 ちょっとわざとらしいなと思ってしまいました。花恋の母親が特に。好き嫌いは置いておいて、行動が支離滅裂で場面を想像しづらかったです。しかも本筋にあんま絡まないという。そして最後のオチも以前読んだ他の作品と類似していて・・。

作家的一週間 有川浩

 ユニークで面白かったです。作家の習性?のようなものをいろいろと知ることができました。実際にあったエピソードなのでしょうか。言葉に対する姿勢、そして物語に対する姿勢はやはり一般人とは異なったものがあります。どんなことが起きても、それを作品に使えないかと始終考える生活は大変そうでもありますが楽しそうですね。

満願 米澤穂信

 さすが米沢さんと言いたくなる作品でした。短編は上手いミステリが際立って上手いと感じられる気がします。構築力が試されるというかなんというか。すごいですねぇ。ポイントは視線でしょうか。伏線というほどのものではないけど、「視線」を意識させるものがさりげなく散りばめられていたのですね。

555のコッペン 佐藤友哉

 佐藤友哉さんは初めて読みました。わけがわかりません。でも不思議と惹きつけられる、この感覚はなんなのでしょうか。明かされなかったことはたくさんあるのに、というかほとんど何も明かされていないのに、全然不愉快ではないのが不思議です。「普通」とは案外曖昧なものなのかもしれませんね。

片恋 さだまさし

 非日常的な体験をしていますが、主人公の心の動きに共感できる作品でした。そりゃあ誰でもそう思うよねって感じです。前半と後半の話がほとんどつながらなかったのが残念です。後半の締め方が不快感がなくてお見事だなあと思います。ぶれることなく一途に人を愛するのは難しいことですよね。