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【あなたの街がなくなるかも】地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減/増田寛也

概要

 地方都市が消滅する。そんなインパクトのあるテーマを掲げた一冊。このままでは、日本の人口は東京へ一極集中してしまう。そんな警鐘を鳴らします。

おすすめポイント

 少子高齢化が進む現在、田舎の村が消滅するということはイメージできない話ではありません。しかし、遠い将来を考えると、地方都市さえも消滅してしまう。そして、そのファクターは少子高齢化だけでなく、東京への人口流出にあるという。恐ろしい指摘ですが、的を得ています。

感想

 人口予測に関する、衝撃的なデータがまずは示されます。

『このまま何も手を打たなければ、2010年に1億2806万人であった日本の総人口は、2050年には9708万人となり、今世紀末の2100年には4959万人と、わずか100年足らずで現在の約40%、明治時代の水準まで急減すると推計されている。人口予測は、政治や経済の予測と比べて著しく精度が高いと言われており、大きくぶれることはない。』

 これを受けて、日本の将来のあるべき姿を探っていきます。筆者は「単に子供を増やせばいいということではない」と指摘します。

『日本の人口減少対策はこれまで「少子化対策」に主眼が置かれ、「社会増減」は経済雇用情勢が変われば収まると考えられてきた。しかし、今や「社会増減」も視野に入れ、少子化対策だけでなく、地域からの若者を中心とした人口流出に歯止めをかける「地域構造対策」の必要性が高まっているのである 』

 この社会増減というのが、主に都会に出て行ってしまうことを指します。都会というか、東京圏ですね。少子化という話はもう聞き飽きるほど聞いていますが、人口流出というのは新しいキーワードです。

『本来、田舎で子育てすべき人たちを吸い寄せて地方を消滅させるだけでなく、集まった人たちに子供を産ませず、結果的に国全体の人口をひたすら減少させていく。私はそれを「人口のブラックホール現象」と名付けました。 』

 ブラックホール。なんと恐ろしい響き。でも、東京にいない僕でも、なんとなくイメージできます。東京は仕事の街。そんな考え方がありますよね。若年層が東京へ集まり、そこで彼らは仕事中心の生活を送り、結婚も子育てもままならない状況に陥っている。分からないでもないです。某有名ブロガーさんの「まだ東京で消耗してるの?」ってやつかもしれません。

 僕も将来は東京に出て行きたいと思っています。しかしまさかこんなリスクがあったとは。思いもよらなかったです。最悪、東京に日本の人口のほとんどが集まる社会になる可能性もあると筆者は書いています。自分の故郷が消滅する可能性もある。恐ろしいです。

 対応策として挙げられているのは、前述の「地域構造対策」。まずは、地方都市で人口の流出をくいとめること。これが重要だそうです。確かに、東京に出てしまうよりも、近くの大都市に出ていく方が、実家と近くてなにかとメリットが多そうです。

 でも、やっぱり、僕は東京にあこがれを感じてしまうんですよね。筆者も、この気持ちをわかってくれるでしょうか。日本に生まれた以上、一度は東京で一人暮らしがしたい。これは田舎者の、時代遅れな考え方なのでしょうか。うーん。

 

 

 

田舎が熱いぞって話


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