【数学をビジネスに活かす】確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力/森岡毅,今西聖貴
確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力
- 作者: 森岡毅,今西聖貴
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2016/06/02
- メディア: 単行本
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概要
ユニバーサルスタジオジャパンの経営をV字回復に導いた立役者が、「数学マーケティング」について解説する一冊です。
おすすめポイント
マーケティング担当者だけでなく、何かを売って利益を得る仕事に就いている人ならば、誰が読んでも非常に勉強になると思います。数学を使って需要を予測する手法をあますことなく解説しています。
感想
自分はマーケティングを担当したことがなく、自分の会社自体もマーケティングの機能が弱い会社です。この本で解説されている需要予測の精度の高さには驚かされました。
需要予測はノウハウを知らなければできないことだなと思いました。自分のようなマーケティング初心者にとっては、マーケティングでどんなことが可能になるのかを理解できるという点で、読めて良かったなと思いました。
マーケティングの熟練者にとっても得るものが多いのではないかと思います。特に、数式を使った数学マーケティングを解説する部分。確率論を用いて作り出したモデルに、実際の売れ行きやアンケートの結果から得たデータを投入すると、高い精度で需要が予測できてしまいます。まるで魔法のようです。
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数学の理論はかなり難易度の高いものだなと思いました。僕は工学系の大学院生だったころの確率論の授業で近いものを勉強したのですが、それでも一個一個の数式を完璧に理解することはできませんでした。ただ、たとえ数式を理解できなくても、読む価値は十分にあります。
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社運を賭けたハリーポッターエリアで、V字回復を成し遂げたときのことも紙面を割いて書かれています。ここはドキュメンタリーとしてとても面白かったです。
数学マーケティングと聞くと、数字だけを見て機械的に判断を下すことのように思えてしまいますが、それを機能させるためには組織から変えていかねばならないというところが印象に残りました。著者は数字だけを追っていたわけではなく、会社全体を熱い想いで動かしていったのです。
久しぶりに、とても勉強になるビジネス書を読みました。Bランクに入れます。
面白かったビジネス書はこのあたりですかね。
僕のオススメの本はこちらにまとめています。
B. 大多数の人が面白いと思うはず/この作家さんが好きなら絶対読むべき作品