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本と本の意外な「つながり」ってありますよね

【もはや伝記かも】起業家/藤田 晋

起業家

起業家

 

概要

 筆者の藤田晋さんは「Ameba」のサイバーエージェントの社長です。ほぼ同時期の起業で成功を収めた堀江さんや三木谷さんと並ぶいわゆる『ヒルズ族』の筆頭格ともされている方です。

 サイバーエージェントを起業したとき、起業した後の裏話が書かれています。

おすすめポイント

 社長のメンタル面が詳細に書かれているところが珍しいと思いました。「起業するときの心構え」なんていう甘ったるいものじゃなく、1人で会社を仕切って行くことの孤独感、ライバルに先を越された時の焦燥感などがリアルに伝わってきます。

 一人の人間のリアルな物語が繰り広げられています。

感想

 ビジネス書の棚に並ぶ本だけど単純にビジネス書だと分類できないですね。伝記を読んでいるような感じもするし、これから起業しようとする人の教科書にもなるし、IT業界の年表を読んでいるようでもあります。いろいろなことが書かれていて、読む人によって着眼点は変わるのでしょうか。

 伸び悩んでいても、自分のやっていることを信じてやりぬく力が備わっていたからこそ、藤田さんは会社を大きくしてこれたのでしょう。起業するということはアイデア勝負なのかなと思っていましたが、それにプラスして強靭なメンタルが必要なんですね。

 起業なんてする気はない人であっても、読めばきっと心を動かされると思います。若くして起業を志す人のエネルギーを感じ取れるはずです。と、同時に華々しく見えるITベンチャーの世界の舞台裏を覗くと、一人の生身の人間が孤独な戦いをしているんだ、と勇気をもらえます。

 いろいろな人におすすめできる本です。