【あくまでも自然体】世界から猫が消えたなら/川村 元気
概要
2013年本屋大賞8位の作品です。作者の川村元気さんは映画プロデューサーであり、この作品で作家デビューを果たしました。
おすすめポイント
月並みですがすっごい感動しました。ただただ泣かせにきてるように感じる場面もあるけど、嫌じゃないです。あくまでも自然体なのがすごくいいです。
感想
角田さんの解説にあるように、哲学書みたいだなぁと思いました。恋愛のこと、ペットを飼う意味、家族とは、生きる意味とは。難しい言葉で書かれているわけではないのですが、何かすごく大切なものについて考えさせられている気になるのです。不思議です。
ぐさっとくる言葉がちりばめられています。それらは、あくまでも自然な流れで、自然な響きで表れるのです。不意打ちをくらうこともありました。『ひょっとしたら今度はハッピーエンドになるかもしれないと思うから』が個人的には一番好きです。
今、僕の両親は健在です。ぴんぴんしています。だから両親がらみのエピソードは正直自分に重ねて読むことはなかったです。でもきっとこれが20年後、30年後に読むときっと変わってくるんだと思いました。その代わりと言ってはなんですが、元カノのエピソードはグサグサきましたね。
読みきった後にしばらくぼーっとしていたのですが、いろんなことを考えているうちに泣いてしまいました。自分の人生って、今までもこれからも、ムダなことはないんだなぁって感じました。いろんなものやこと、人との出会いには意味があるんだなぁとぼんやり考えました。
分厚い本ではないし、ぎっしりと書かれた本でもないですから、割とすぐに読み終わってしまう本だと思います。すごく落ち込んりしたときに、そっと開いてみると元気がきっと出るはずです。