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本と本の意外な「つながり」ってありますよね

【書評】サイレント・ブラッド/北林 一光

 

サイレント・ブラッド (角川文庫)

サイレント・ブラッド (角川文庫)

 

 概要

「山」がテーマのミステリー。作者の『ファントム・ピークス』が有名になったあと、この作品も文庫化されました。ファントム・ピークスはまだ読んでいないのでいつか読みたいです。

おすすめポイント

 「カクネ里」なんていう面白いワードがあったんですね。冒険心をくすぐられてすごくわくわくしました。登山のシーンも臨場感があってドキドキします。

感想

 専門用語をけっこう使っていますが、素人の僕にも分かりやすく書かれていたので山登りしない人でも楽しめると思います。

 登山のシーンが面白かったので、山での場面がもうちょっと多い方が良かったかなぁって思ってしまいました。事件自体をもっとすっきりとしたものにして、すっきり解決してくれた方が自分的には良かったなぁなんて。あと、ちょっと人物関係が複雑だと感じました。「誰だっけ?」ってなることはないのですが、「どういう繋がりだっけ?」ってなることが少々。

真相が明らかになるにつれ、たくさんのひとが不幸になっていく様が切ないですね。最後の最後のシーンで魂の話が持ちだされていますが、せめて安らかに眠って欲しいと思わせる結びです。

 カクネ里って最初は作りものだと思って読んでいたのですが、実在するんですね。作中に出てくるように、平家の落人が隠れ住んだ里であると。そして雪崩が多くてベテラン登山者でもなかなかたどり着けないということも本当のことみたいです。

 いわゆる「秘境」って日本にも実在するんですね。そういうロマンを教えてくれる作品でした。