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【ハンデに負けない強さ】筆談ホステス/斉藤理恵

筆談ホステス

筆談ホステス

 

概要

 タイトルの通り、聴覚障害を持つホステスさんのお話。音を失ってしまった幼少期の話から、現在に至るまでの人生が綴られています。

おすすめポイント

 耳が聞こえないというハンディキャップを物ともせず、いろいろなことに次々に挑戦していく姿勢に勇気をもらえます。「自分の置かれている状況なんて大したことないじゃん」って思えますよ。

感想

  ホステスの世界をまったく知らなかったので、そこがまず興味深かったです。競争が激しいというのはなんとなく知っていたのですが、お客さんにリピートしてもらうために、あの手この手を使うのですね。感心してしまいました。

 クラブや夜の世界の知識がたくさんあったのなら、筆談でしかコミュニケーションがとれないということの特異さがリアルに感じられたのかもしれないなと思いました。僕は何も知らないので、筆談しかできないホステスなんて想像もつかないです。クラブやキャバクラとは「しゃべりに行くお店」というイメージしか持っていないですからね。

 というか、筆談なんて普段めったにやらないですからね。その相手があんなにきれいな人で、字もきれいなのです。そして男心をよく知っていらっしゃる。なんだかすごくドキドキしそうですよね。

 何事にも恐れずに、果敢に挑戦していく姿に感銘を受けます。耳が聞こえないというは、僕には想像もつかないほどのハンディキャップなわけです。僕だったら、ハンデを言い訳にして、何事からも逃げる人生を送ってしまいそうです。しかし彼女は違う。逃げないのです。ほんとに強いですよね。勇敢です。些細なことで挑戦から逃げている自分が恥ずかしくなります。