【未来シミュレーション】10年後のあなた/『日本の論点』編集部
概要
文藝春秋に連載された記事をベースとして構成されています。今の日本に山積されている問題を挙げ、それが10年後の個人の生活にどんな影響を与えるかを述べています。メインテーマは少子高齢化と格差社会です。
おすすめポイント
各章の初めに物語風のシミュレーションが載せられているところが面白いです。この物語はなかなか悲惨なパターンも描かれています。自分もこうなってしまう可能性があると考えると、社会問題は人ごとではないことがわかります。
感想
各章の物語風のシミュレーションには、それぞれ二人ずつの人生が描かれています。例えば転職に成功して時代の流れに乗った人と転職に失敗してしまった人など。そして、その物語のテーマに関するいろいろなデータを基にした考察が続きます。
この本が刊行されたのが2007年なので少しデータは古いです。しかし、今読んでもけっこう面白いです。なぜなら「この本が予言する10年後」が近づいているからです。
内容の大部分は予想通りになっていることが多かったです。正直、不安なことだらけです。前々から社会問題になることが予想されていたのに、この10年で有効な対策が打ち出されていないということに、さらなる不安を感じます。
しかしちょっとネガティブすぎだったり、極論だったりする箇所もあって、不安を煽りすぎなのではと感じる部分もありました。
今のうちから考えていかなければならないな、と思うことがいろいろありました。その反面、そんなに悲観的になることはないじゃないかと思うテーマもありました。時代の変化を見極めて、自分の頭をしっかりと使って生きていきたいものです。