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【伊坂ワールド全開】バイバイ、ブラックバード/伊坂幸太郎

バイバイ、ブラックバード (双葉文庫)
 

概要

 伊坂幸太郎さんの本です。伊坂幸太郎さん好きの友達からおススメされたので読んでみました。内容はどちらかと言えばコミカルです。わけのわからない設定がなされていて最初は戸惑うかもしれませんね。

おすすめポイント

 伊坂さんらしい、軽快なリズムとシャレが全開でページをめくる手がとまりません。終わり方もほんとに素敵です。

感想

 終始、繭美に圧倒されっぱなしでした。最初こそ、ひっどいキャラだなと思ったのですが、気づけば途中からはまったく嫌な感じがしなくなってしまいました。繭美の暴れっぷりは終始あまり変わらないのですが・・。すごいキャラを作るものです。

 星野君もやってることはめちゃめちゃなのに憎めないです。5人の女性たちそれぞれがそれぞれの理由で星野君に惹かれていますが、どれも恋愛の形として違和感がないんです。そーゆーのもありなのかなぁと思ってしまう。同じパターンが5回続いたようで、全然そんな気がしません。

 そしてその5パターンの後にやってくる終わり方が、これまた上手すぎて憎いです。そうきたか、と。もう最後は繭美にほれそうになっちゃいますね。

 詳細をくどくど語らずとも物語がきちんと完結してしまうところもホントに上手いなと思っていしまいます。むしろ、肝心なところがあまり書かれないからこそ、起こる出来事に集中できて、楽しめるのかなぁと思いました。

 みなさんいろいろ笑ったポイントがあると思いますが、僕はパンのエピソードが大好きです。電車で吹き出しそうになりました。

 僕は今まで、伊坂幸太郎というと、直木賞をとった『重力ピエロ』、本屋大賞をとった『ゴールデンスランバー』、青春小説の代名詞『砂漠』、この3つを読んでいました。どれも傑作だと思っていますが、個人的にはこの『バイバイ、ブラックバード』が暫定1位です。始まりから終わりまで、ずっとおもしろかった。

 他の作品を読んでみたら、また変わるのでしょうけどね。伊坂さんの有名どころはもう読んだって人に、ぜひオススメしたいです。

 

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