【暗躍するものは?】書評:岳飛伝 十二 飄風の章/北方謙三
概要
水滸伝、楊令伝に続く北方謙三の北方水滸伝第3部。その12巻です。
感想
大きなうねりがあり、そこに隠れて蠢くものが潜んでいそうな雰囲気が漂う巻でした。
まずは水軍の戦い。久し振りに李俊が動きましたね。水軍の指揮を執るどころか、まさか韓世中と一騎打ちになるとは。恐ろしい爺さんです。
南の動きも激しかったですね。辛晃は大群を抱えていましたが、やはり相手が悪かったです。岳飛と秦容に手を組まれてしまっては勝てないですよねぇ。砦を奪われ、そして森の中での戦いでも動きを読まれてやられてしまいました。
水軍と、南の戦いでは梁山泊が強さを見せつけた格好となりました。しかし不穏な動きは主に北でしょうか。ついに、胡土児のルーツが白日の下にさらされることになるのでしょうか。そしてそれが、勢力図にどんな影響を与えるのでしょう。
青蓮寺もひっそりとやられてしまったようです。李師師は不気味な存在としてひっそりと生きていましたが、ようやく舞台から降りました。南宋も力を蓄えてきたなぁという印象です。何か、闇に蠢いているものが今後一気に出てきそうな、そんな印象を受ける巻でした。
以下、話を忘れないためのメモ
- ソンハンが死亡
- 蕭炫材が会寧府へ。息子、蕭周材が会いに来る。妻は蕭一族を統べる仕事をしている。
- 金の先帝、撻懶はオペンに殺されていた。海陵王が先帝を殺してしまいそうだと考えての判断。
- キョウジョウの店が襲撃される。キョウジョウと孟康が死亡。王清とテイリョウと喬道清は船で逃げる
- 燕青が李師師のもとへ。途中、リュウセイを打ち倒す。李師師は毒で死亡。燕青も相打ちのため、傷を負う。
- 南宋の新たな武器、絹織物が出来はじめる。拠点の雷州では倉が建設される。
岳飛伝シリーズ